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こういう人は遺言を書いた方がよい(遺言書を作成すべき理由)

遺言書はなぜ必要なのでしょうか。

近年は、財産の大小に関わらず相続において家族や親族での相続財産の分配をめぐるトラブルが増えているそうです。

相続手続きは非常に手間がかかりますので日常の生活に加えて忙しくなります。そのようなときに遺産分割協議を行うことは精神的に辛くなったり、その負担が蓄積して、時には情緒が不安定になり普段なら納得し受け止めることができたはずの遺産分割の協議内容でも言い争いになったりしてしまうことがあるのではないでしょうか。

遺産が被相続人の住んでいた家と土地だけという場合でも各相続人が法定の規定のよって定められた相続分(法定相続分)を主張して、配偶者の住まいであった家と土地を売却しなればならなくなったということも多いそうです。

遺言書がなくても、相続開始とともに被相続人の財産上の地位を継承する相続人同士での話し合いが円満に進み、皆が納得できる遺産分割協議ができればよいのですが残念ながら相続人同士が争い、その後の人間関係に悪い影響を残してしまう場合もあります。

法定相続分はあくまで目安であって、それぞれの家庭の状況および事情や親族の関わりあい方によって必ずしも法制相続分による遺産分割が家族にとって最適ではないこともありえます。

そして遺産相続においては「遺言者の意思表示(一定の法律効果を欲するという意思を外部に表示する行為)」が最優先であって、遺言の内容は法定相続分に優先します。

遺言書で遺産分割について事前に指定おけば、相続人全員で遺産分割協議を行う必要がないため遺産分割協議書作成等の相続手続きを軽減できたり、相続財産の各相続人の分配割合について親族同士でいさかいになることを未然に防ぐことができたりします。

遺産分割について相続人同士でもめた結果、その後の家族の関係性が悪くなってしまうことは避けたいところですよね。

 

相続人の関係が複雑である場合、相続人のうちの1人に家業を継がせたい場合や特定の相手に財産を譲りたいなど、相続トラブルを回避するためにぜひとも遺言書を作成しておいた方がよい場合を以下に記したいと思います。

 

■子どもがいない夫婦の場合

長年連れ添った妻に全財産を相続させたいと思う方は多いと思います。

法定相続分といって民法においては相続の順位が決められています。第1順位は「被相続人の子ども」です。被相続人に子供がいない場合、第2順位は「被相続人の父母」となります。父母がすでに亡くなっている場合には、第3順位である「被相続人の兄弟姉妹」となります。配偶者がいる場合には、その配偶者は常に相続人です。

法定相続分は、父母は3分の1、兄弟は4分の1となります。配偶者がいる場合、その配偶者の相続分はそれぞれ、3分の2、4分の3となります。

妻に全財産を相続させたい場合、「妻に全財産を相続させる」と遺言しておけば、被相続人の父母が遺留分を主張したとしても全財産の6分の5を相続させることができます。

両親がすでに亡くなっていて相続人が被相続人の兄弟姉妹の場合は遺留分がありませんので遺言書で指定しておけば全財産を妻が相続することになります。

 

■内縁関係の相手に財産を譲りたい

長年、夫婦として連れ添ってきても法律上の婚姻関係にない場合には内縁の夫婦となり、内縁の妻には相続権はありません。遺言がないと、法定相続人が相続することになってしまいます。内縁関係の相手に財産を残すには遺言が必要です。

内縁の妻に「妻に全財産を相続させる」と遺言をしても相続人から遺留分についての請求があれば、財産を渡さなければならないので遺留分については注意と配慮が必要です。

 

■認知した子がいる場合

結婚していない相手方との子であっても認知していれば相続人となります。非嫡出子の法定相続分は嫡出子と同等です。これと異なる相続にしたい場合は、遺言で相続分や財産の分割方法を指定しておくことが必要です。

非嫡出子が相続人であるということは、遺言がない場合の遺産分割協議に参加しなければなりません。このことにも注意と配慮が必要ですね。

 

■認知していない子がいる場合

結婚していない相手方との子と父親の関係は認知という手続きによって確定します。認知は生前に行う場合と遺言で行う場合があります。遺言で子を認知することを遺言認知といいます。

認知していれば相続人となります。生前に認知のできなかった子を遺言によって認知しておけば、子は相続権を得ることができます。また胎児も認知することができます。

遺言で子を認知すると法定相続分や相続順位に変動が発生します。他の相続人においては相続する財産の価額が変わるためトラブルへの対策が必要となります。

 

■相続人がいない

身寄りのない高齢の方など相続人がいない場合には特別な事情がない限り、相続人不存在となり財産は国庫に帰属します。

このような場合は遺言書で相続人以外の方へ財産を承継する方法があり、遺贈といいます。遺贈は個人でも法人でもかまいません。

特別にお世話になった方にお礼として財産を譲りたいとき、お寺や教会、社会福祉関係の団体、自然保護団体に寄付したいときなどはその内容を遺言しておくことが必要となります。

 

■相続権のない人に財産を譲りたい場合

特に世話になった子の配偶者や知人などに財産を贈りたい場合、また相続人でない孫や兄弟姉妹にも譲りたい場合に遺言で法定相続分と異なる相続分の指定をすることによって財産を譲ることができます。

 

■家業の後継者を指定したい

事業の経営等をしている場合、複数の相続人に遺産分割をしてしまうと、事業そのものが経営基盤を失い、事業等の継続が困難になります。このような事態を回避するために家業等を継続させたいという場合は後継者を指定し、その人が経営の基盤となる土地や店舗、工場、農地、同族会社の株式などを相続できるように遺言をすることができます。

また遺言で家族観でのトラブルを防ぐために他の相続人に対しては代償金で公平を図るなど注意と配慮が必要です。

 

■再婚をし、先妻の子と後妻がいる場合

夫婦が離婚をした場合、法律上は赤の他人となります。離婚後に元夫婦の一方が死亡したとしても、その元配偶者には相続権は発生しません。しかしながら、離婚した夫婦間に子がいた場合、子は当然に相続人となります。夫婦が離婚したとしても子との親子関係が切れるわけではありません。

先妻の子と後妻との間では血縁関係がありません。先妻の子と後妻は疎遠であり、ほとんど話をしたことがないこともありえます。感情的になり遺産分割協議は非常に複雑かつ困難な場合があり、遺産争いが起こりやすいとも言えます。相続トラブルを防ぐため遺言で相続分をきちんと定めておく必要性が高いと言えます。

 

■家族関係に応じた適切な財産承継をさせたい場合

特定の財産を特定の相続人に承継させたい場合や身体に障害のある子に多くの財産を相続させたい場合、老後の面倒を見てく
れた子に多くの財産を相続させたい場合など、遺言者のそれぞれの家族関係の状況に応じて財産承継をさせたい場合にも遺言をしておく必要があります。

 

遺言とは自分自身がいままで築いてき財産を誰にどう残すのかを意思表示することなのです。

そして上記については法律上、効力のある遺言事項となります。

自分の意思をはっきりと記すとともに自身の財産を処分するという権利行使を遺言で行うことをご検討ください。

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著者行政書士浜田政克
浜田政克行政書士事務所
(大阪府豊中市)

自身の相続に係わる経験から一念発起し、豊中市東豊中町にて行政書士事務所を開業。
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情報セキュリティ、個人情報保護法に精通し、「デジタル社会に迅速に対応できる法律家」として日々研鑽を積み重ねております。

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