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法定後見の問題点(成年後見制度とは)
成年後見制度は、制度の認知度向上、申立手続きの簡素化、後見人の担い手不足の解消、費用の負担軽減、本人の意思の尊重など、様々な課題があると研修等でよく伺います。
しかしながら日本は既に超高齢社会に突入しています。 高齢化社会のデータ→年を日本は超高齢社会に突入しています。 2022年、日本の人口は1億2,615万人となり65歳以上は3,623万人を超えました。 今後も成年後見制度の需要は増加傾向にあると考えられます。
■成年後見制度とは
「成年後見制度」とは、精神上の理由により判断能力に欠ける、あるいは不十分な人(認知症高齢者、知的障害者、精神障害者のほか、自閉症の人々、事故などによる脳の損傷、または脳の疾患に起因する精神上の障害を持つ人々等も含む。)を保護・支援するために援助者を選任して、契約の締結等を代わって行ったり、本人が誤った判断に基づいてした行為を取り消したりして、本人を法律的に支援する制度です。 契約の締結等の法律行為における意思決定が困難な人々のため、その不十分な判断能力を補い、本人が損害を受けないようにし、本人の権利が守られるように選任された援助者が、その財産管理と身上監護を通じて本人を保護することを目的としています。
■法定後見制度と任意後見制度の違い
法定後見とは、本人の判断能力が不十分になった後に、親族等が家庭裁判所に申し立て、家庭裁判所によって選任された成年後見人等が本人をサポートする制度です。 一方、任意後見は本人が十分な判断能力を有するときに、あらかじめ、任意後見となる者や将来その者に委任する事務(本人の生活、療養看護および財産管理の関する事務)の内容を定めておき、本人の判断能力が不十分になった後に契約内容に従い、本人の財産管理を行う制度です。 本人が選んだ後見人「受任者」との間で任意後見契約を締結します。
■本人や家族が希望する方が法定後見人にならない可能性がある
法定後見人の選任では、法定後見人の希望を裁判所に伝えることができます。しかしながら本人や家族が希望する法定後見人にならないこともあります。法定後見人は、家庭裁判所が選任をします。民法での欠格事由に該当する人物でなければ、だれでも法定後見人になることができます。法定後見人に特別な資格は不要です。しかし、親族を法定後見人の候補者として申立てをしても、最終的には家庭裁判所が判断をします。被後見人の所有財産が多額である場合や、家族間トラブルがあるような場合には、裁判所は、法律の専門家である弁護士や司法書士を選任する傾向にあります。
■申立て費用や後見人報酬が発生する
家庭裁判所に後見等開始の申立てを行う場合と後見業務が開始されてから以下の費用が発生します。 ・申立てから後見人等が選任されるまでの手続き費用 申立てから後見人等選任までの費用 ・後見人等の報酬(制度利用中は常時発生) 成年後見制度の申立費用は、成年後見制度を利用する本人ではなく申立者が負担します。 しかし、成年後見制度の利用が開始された後に、申立者は制度利用者本人に対してかかった費用を請求可能です。 成年後見制度の利用は申立者本人の利益につながる行為ではなく、制度利用者本人の利益につながる行為だと考えられるからです。
■成年被後見人の財産を自由に使うことができなくなる
成年被後見人の財産は保全の対象となります。したがって自由な運用や活用および処分(売却)はできなくなります。当然に、相続税対策としての生前贈与も認められません。 成年後見人は、成年被後見人の財産に関する様々な契約や手続きを代理する権限を与えられています。 そして成年後見人は、本人の利益のために本人の資産を使う法律上の義務があります。
■法定後見が不正を起こすことがある
家庭裁判所が公開している情報では、後見人等による不正事例において、令和5年では184件、約7億円の被害額となっています。専門職の内数になると令和5年で29件、約2億7千万円となっています。後見人による不正の大半は親族後見人によるものとなっています。 このようなことから成年後見制度においては後見人による不正が起こらないように対策が講じられていくのですが、家庭裁判所が適切に監督権限を行使させることが有効になります。 成年後見制度において、成年後見人と共に成年監督人が選任されることに納得しますね。 また専門職が選任されることが増加傾向にあることも理解できます。
■原則として途中でやめることができない
一度、成年後見制度を利用すると途中でやめることはできません。医者が書いた診断書で障害や症状の回復が認められて家庭裁判所で成年後見の取消が認められるとやめることができます。
多くは、後見制度を途中でやめることができずに、被後見人が死亡するまで続くことになります。
成年後見制度は認知症になった人の生活に必要不可欠な制度ですが、デメリットを十分に理解した上で制度利用の検討をする必要があります。
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