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相続財産の調査・探し方(プラスの財産、マイナスの財産)

財産調査を行う方法とは

財産と言えば多くは経済的価値のある積極財産のことを指します。しかし相続において遺産とは借金などの消極的財産も含まれます。ここでは積極的財産、消極的財産の調査を行うことを検討していきたいと思います。

 

身内の方が亡くなった場合、葬儀や法要、死後の事務手続きなどにかなりの時間と労力を費やされていると思います。

 

しかしながら遺産分割の手続きを速やかに進めるには亡くなった方の全ての財産を調査および特定を行い、財産目録に取りまとめる必要があります。

 

身内の方がなくなって財産がどこにあるのかわからない場合の基本的な財産の調査の方法

■亡くなった方の遺留品を確認

金融機関の通帳やキャッシュカード、不動産等の権利証、証書がないかを確認しましょう。

日記、手帳、エンディングノートがないか確認をしましょう。最近では、エンディングノートに大切な情報がまとめられている場合もあります。

 

■亡くなった方の郵便物の確認

金融機関からさまざまな通知や取引の報告書、ノベルティが届いていることがあります。これらの郵便物から口座のある金融機関を特定する重要な手掛かりとなります。

公的年金の支払通知書には金融機関等の口座が記載されています。

不動産については固定資産税通知書と課税明細書で確認することができます。固定資産税通知書と課税明細書は毎年4月頃に届きます。

株式などの有価証券については証券会社から原則、3カ月に一度の頻度で届く取引残高報告書を確認できます。取引残高報告書とは、ある一定期間内に行われた上場株式等の売買取引の内容や、銘柄ごとの残高を定期的に報告する書類です。

上場株式を所有している場合、「上場株式配当等の支払通知書」が届いています。

上場株式配当等の支払通知書とは、配当金、投資信託の分配金、債権の利金等を受け取った場合に発行される通知書のことです。

保険契約については契約内容に関するお知らせや毎年10月頃に届く生命保険料控除証明書で確認できます。

 

■亡くなった方の通帳の入出金内容を確認

通帳等がある場合は入出金内容を確認します。取引履歴から預貯金以外に、他の遺産や相続財産の有無について情報を得ることができますので定期的な引き落としがされていないかを確認します。

不動産を所有する際の手掛かりとなる固定資産税は、通常は6月・9月・12月・2月の年4回に分けて支払われています。

保険契約をされている場合は保険料の引落があります。

債務の返済を銀行引き落としにしている場合もあります。

 

■不動産の確認方法

各市区町村で名寄帳を取得します。名寄帳とは、土地と家屋の固定資産課税台帳について所有者ごとにまとめたものです。市区町村ごとに個人が所有している不動産を一覧で確認することができます。

各市区町村で固定資産評価証明書を取得します。固定資産評価証明書とは、固定資産税の課税対象になっている資産について、その評価額を証明するものです。土地や家屋などの不動産の資産価値を証明する書類となります。

法務局で登記事項証明書を取得します。土地や家屋などの登記記録内容が記載された書類となります。

 

■預貯金の確認方法

最寄りの銀行支店でその銀行内の亡くなられた方の口座の有無を確認することができます。

口座がある場合は残高証明書を発行してもらい、銀行ごとの預貯金を把握します。

 

■株式の確認方法

最寄りの証券会社支店で、その証券会社内の亡くなられた方の口座の有無を確認することができます。

残高証明書を発行してもらい、有価証券の保有銘柄、保有残高を把握することができます。

証券保管振替機構での照会も有効となります

 

■マイナスの財産の調査方法

亡くなった方の遺留品の中に借用書(金銭消費貸借契約書)がないかを調べます。

郵送物に督促状、金融業者からの手紙、クレジットカード会社からの手紙などがないかを調べます。

通帳の入出金状況で銀行やサラ金業者、クレジットカード会社などからの定期的な引き落としはないかを調べます。

それらの情報をもとに債務があると思われる金融機関に照会をかけます。

債務を把握するには次の信用情報機関で調査することも有効です。相続人からが亡くなった方の借金について照会請求を行うことができます。

・一般社団法人全国銀行協会

一般社団法人全国銀行協会の会員である銀行、信用金庫、農協等の金融機関から登録された住宅ローンやカードローン、クレジットカード等の契約内容とその返済状況(入金の有無、延滞・代位弁済・強制回収手続等の事実を含む)の履歴などを確認することができます。

・株式会社シー・アイ・シー(CIC)

CICの加盟会員で あるクレジット会社等から登録された、新規にクレジットを申し込んだ内容や過去に利用したクレジット、および現在ご利用中のクレジット契約の内容、支払い状況、残債額などが確認することができます。 また、CICが独自に収集する情報についても確認できます。

・株式会社日本信用情報機構(JICC)

JICCの加盟会員である消費者金融会社やクレジット会社、金融機関等におけるローンやクレジットの契約内容や返済状況などに関する信用情報が確認することができます。 また、JICCが独自に収集した情報(本人申告コメント情報)も確認できます。

各信用情報機関での調査は登録貸金業者からの借金について確認することはできますが闇金業者、個人的な貸し借りの情報、連帯保証債務などの情報までは出てきません。

マイナスの財産が出てきても慌てたり、諦めたりせずにプラスの財産を考慮して、最終的にプラスになるのかマイナスになるのか慎重かつ冷静に判断をすることが大切です。

亡くなった方の負債等をあえて相続しないことを判断した場合には、家庭裁判所に対して相続放棄の申述をすることができます。家庭裁判所への相続放棄の手続きは、相続の開始を知ってから3カ月以内に行うことが必要です。

また亡くなった方の債務がどの程度あるか不明であり,なお財産が残る可能性もある場合、相続人が相続によって得た財産の限度で被相続人の債務の負担を受け継ぐ限定承認という方法もあります。

家庭裁判所への申述については専門家に相談されることをおすすめいたします

積極的財産および消極的財産の調査につきましては、これらの地道な作業を繰り返していくことで財産全体の内容を把握することができます。

 

相続財産の調査については亡くなった方の財産をすべて漏れなく把握することができるシステムはありません。銀行や証券会社などを1件ずつ地道に調査することが必要です。

 

このように相続財産の調査は、相続人の方におかれましては相当な労力と時間を費やすことになります。ご自身に万が一のことがあったときに、配偶者や子どもをはじめとする親族の方を困らせないためにもエンディングノートなどに財産・資産のことをまとめておくことはとても大切なことになります。

 

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著者行政書士浜田政克
浜田政克行政書士事務所
(大阪府豊中市)

自身の相続に係わる経験から一念発起し、豊中市東豊中町にて行政書士事務所を開業。
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情報セキュリティ、個人情報保護法に精通し、「デジタル社会に迅速に対応できる法律家」として日々研鑽を積み重ねております。

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