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相続人が誰もいない場合どうなるのか?(相続人不存在)
相続人が誰もいない場合、財産はどうなるのでしょうか?
相続人が誰もいない、つまり法定相続人が誰もいないということです。
近年、少子高齢化が進み、また未婚の方も増えており、亡くなる時に身寄りのない方が増える傾向にあります。厚生労働省の国民生活基礎調査によると、65歳以上の一人暮らし世帯は2022年に全国で873万世帯となっているそうです。
法定相続人がいない状況は主に以下の状況を言います。
・配偶者がいない。
・お子様、お孫様がいない。
・父母や祖父母がいない。
・兄弟姉妹や甥姪がいない。
このような場合、法定相続人が誰もいないため、「相続人不存在」となります。
相続人不存在のケースですが最終的には亡くなられた方の財産は国庫に帰属することになります。国庫に帰属とは、相続財産が国のものとなってしまうということです。
裁判所のデータによると遺産の相続人がいないなどの理由で国庫に入る財産額は、2021年度は647億円もあったそうです。
■相続人不存在の場合の手続き
利害関係人(相続債権者、受遺者、被相続人との特別縁故者等)または検察官が家庭裁判所に相続財産清算人の選任の申立てを行います。
その後、家庭裁判所によって相続財産清算人選任の公告、相続人捜索の公告、相続債権者捜索の公告がなされます。この期間は約6カ月です。
そして相続人不存在が確定します。
特別縁故者にあたる方は3カ月以内に財産分与の申立てをすることになります。
そして特別縁故者への財産分与の手続きが行われ、なお残余財産がある場合には、相続財産清算人は国庫に帰属させる手続きを行って、残余財産は国庫に帰属することとなります。
■相続財産清算人の選任申立に必要な書類の一覧
① 被相続人の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本(全部事項
証明書)
② 被相続人の父母の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本(全
部事項証明書)
③ 被相続人の子(及びその代襲者)で死亡している者がある場合、その子(及びその代襲
者)の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本(全部事項証明書)
④ 被相続人の直系尊属の死亡の記載のある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本(全部事項証明
書)
⑤ 被相続人の兄弟姉妹で死亡している者がある場合、その兄弟姉妹の出生時から死亡時ま
でのすべての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本(全部事項証明書)
⑥ 代襲者としてのおいめいで死亡している者がある場合、その者の死亡の記載のある戸籍
(除籍、改製原戸籍)謄本(全部事項証明書)
⑦ 相続人が相続放棄をしている場合、当該相続人の戸籍謄本及び申述受理証明書
⑧ 被相続人の住民票除票又は戸籍附票
⑨ 清算人候補者の住民票又は戸籍附票(弁護士、司法書士の場合は、原則不要)
⑩ 相続関係図(作成可能な場合)
⑪ 相続財産の目録(負債を含む)
⑫ 財産を証する資料(不動産登記事項証明書(未登記の場合は固定資産評価証明書)、預
貯金及び有価証券の残高が分かる書類(通帳写し(通帳表紙、表紙裏の見開き、死亡日か
ら3か月前以降の入出金の履歴部分(又は取引履歴)、定期預貯金の部分)、残高証明書
写し等)、負債に関する資料写し等)
※ 被相続人名義の預貯金について、死亡後に出金している場合には、分かる範囲でそ
の使途を記載した書面とそれを裏付ける資料を提出してください。
⑬ 利害関係人からの申立ての場合、利害関係を証する資料(戸籍謄本(全部事項証明書)、
後見登記事項証明書、金銭消費貸借契約書等)(申立人が法人の場合、資格証明書)
準備する書類や申立ての手続き、その期間をみてもわかるように身寄りが誰もいない方が何もせずに亡くなってしまうと、周囲の関係者の方の大変な負担がかかります。
内縁の妻や親子同然の関係で生活を援助していた方、無報酬で療養看護していた方等が特別縁故者にあたりますが、特別縁故者の申立てには相当な時間と手間がかかります。そして特別縁故者と認められることのハードルもかなり高くなります。
大切な方のために遺言書を事前に準備しておくことが必要です。
ご自身に法定相続人がいない場合、遺言書を事前に準備しておくことによって相続人がいない場合に必要となるさまざまな手続きを省略することができます。
そして安心して財産を引き継ぐことができるのです。
遺言書に遺言執行者を指定しておくことで、相続手続きの際に遺言の内容を執行してもらうことができます。
おひとりさまやいざとなったときに身近に頼れる人がいない方が亡くなった際に、葬儀の手続き、お墓のことや住まいのこと、行政関連の手続きなど、さまざまな事務手続きが必要になります。
自身の死後に周りに迷惑をかけずにすむように準備しておくための対策として、家族やその他の親族以外の方に死後の事務手続きを依頼するための「死後事務委任契約」を締結し、信頼できる方に死後の死後の事務手続きお願いできるようにしておくこともご検討ください。
たとえば、内縁関係および事実婚の方は相続人ではありませんので死後事務を行うことに制限があります。
遺言執行や死後事務委任については、専門的な知識が必要となります。ぜひ専門家に相談することをおすすめいたします。
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