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秘密証書遺言のメリット・デメリット
秘密証書遺言とは
遺言とは、自分が生涯をかけて築き、かつ、守ってきた大切な財産を、最も有効・有意義に活用してもらうために行う遺言者の意思表示と言われています。
遺言書は、自筆証書遺言および公正証書遺言の方式で作成されることが一般的です。
遺言の内容を秘密にする方法です。
遺言書を秘密に保管するために、封を施された遺言書の封筒の中に、遺言書が入っていることを公正証書の手続きで証明する方法です。
秘密証書遺言も一般的な遺言の方式の一つとされていますが実務において作成されることはあまりなく、年間の作成件数は100件〜130件程度です。
秘密証書遺言のメリット
①遺言の内容を誰にも知られることがない
秘密証書遺言のメリットは、遺言の内容を秘密にしておくことができることです。
遺言作成時に関わる公証人や証人も遺言の内容を見ていないため、遺言の内容を誰にも知られることはありません。
② パソコンや代筆によって作成ができる
遺言書はパソコンで作成することもできますし、自分以外の人に代筆して作成することも可能です。しかし、自分以外の人に代筆をして作成すると自分以外の人に遺言書の内容が知られてしまいますので注意が必要です。
代筆をする場合には代筆者の氏名、住所を公証人に申述しなければなりません。
③公証人役場への手数料
公正証書遺言の作成費用は遺言の目的である財産の価額によって手数料がかかりますが、秘密証書遺言の場合は、11,000円の手数料と証人への手数料のみで安くすみます。
秘密証書遺言のデメリット
①公証人役場へ出向かなければならない。
自筆証書遺言と比較して手続きに手間と時間がかかります。
公証人役場に出向く手間がかかります。また2人以上の証人を同席させなければなりません。
②死後に遺言書を見つけてもらえないことがある
遺言書を作成しても遺言者の死後に遺言書を見つけてもらえないというリスクがあります。
遺言書を見つけた人が自分に不利なことが書いてあると思った時に遺言書を破棄したり、隠匿や改ざんをするリスクもあります。
③検認の手続きが必要
秘密証書遺言は、遺言書保管制度を利用することができません。
秘密証書遺言は、遺言書保管制度を利用しなかった場合の自筆証書遺言と同じように、遺言書を発見した人が、家庭裁判所に提出して、検認を請求しなければなりません。
秘密証書遺言の作成手順
・遺言を書いた用紙に署名・押印をします。パソコンで作成してもかまいませんが署名は自筆となります。内容を知られてしまうことになりますが代筆者が代筆をすることも可能です。
・完成した遺言書を封筒に入れて、遺言書に押したものと同一の印鑑で封印をします。
・公証人役場へ出向き、公証人と証人2人の立会のもとで、自己の遺言書である旨と、遺言者の氏名と住所を申述します。代筆した場合は、代筆者の氏名、住所を申述することになります。
・公証人は、提出年月日と遺言者が申告した内容を遺言書の封筒に記載します。最後に公証人、遺言者、証人が遺言書の封筒に署名・押印します。
・秘密証書遺言は遺言者に渡され、遺言者の責任で保管します。
秘密証書遺言作成の際の注意点
秘密証書遺言の内容が遺言書の要件を満たさない場合は無効となりますので作成の際は注意が必要です。
正しい様式で作成する
秘密証書遺言は、遺言者しか遺言の内容を知らないため、遺言書が有効であることの責任は遺言者自身にあります。専門家の作成の支援をお願いすると遺言者以外の人に遺言の内容を知られることになってしまいます。
遺言書の書き方は民法に定められた方式があるので作成の際は注意が必要です。
法的に効力のある遺言書の内容
遺言書には何を書いてもよいですが法律上、効力を有する遺言事項は限られています。身分に関すること、財産の処分に関すること、相続に関することを第三者にわかりやすく、正しい書き方で作成することが必要です。専門家の作成支援を受けていないので法的に効力のあり遺言書の内容になっているかを確認しましょう。
家庭裁判所での検認
秘密証書遺言は、自筆証書遺言と同様に検認が必要です。遺言書と必要書類を準備して家庭裁判所に検認の請求をします。自筆証書遺言保管制度を利用した自筆証書遺言や公正証書遺言は検認の手続きは不要となります。
まとめ
秘密証書遺言は遺言執行まで遺言書の内容を第三者に知られないというメリットがあります遺言書の内容が法的に有効であることの担保や遺言書の検認手続きなどデメリットもあります。
自筆証書遺言や公正証書遺言もありますので、遺言方法については慎重に検討され、場合によっては専門家に相談することをおすすめいたします。
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