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遺産分割前に亡くなった父の預金口座から払い戻しできる?

「口座名義人が死亡した場合」は、銀行などの金融機関に口座名義人の死亡が伝わると口座凍結されます。口座凍結されると各種公共料金の引落し、賃料の振込、住宅ローンの自動引き落とし等が一切できなくなります。

そのため口座名義人の預金(相続預金)が遺産分割の対象となる場合には、遺産分割が終了するまでの間、相続人単独では相続預金の払戻しを受けることができなくなります。

金融機関が預金口座を凍結する主な理由

・相続預金が流出することによる二重払いの被害を防止するため

・相続人が被相続人の印鑑やキャッシュカードで預金を払い戻すことによる相続預金の無制限の変動を防止するため

このために遺産分割が終了する前でも、各相続人が当面の生活費や葬儀費用の支払いなどのためにお金が必要になった際に相続預金の払戻しが受けられるよう民法改正で相続預金の払戻し制度が設けられることとなりました。

被相続人の葬儀費用や入院費の支払いなど早急にお金が必要なとき便利ですね。

この制度は、家庭裁判所の手続きを不要とする代わりに、相続預金の払戻し制度を使って引き出せる金額に上限を設けています。

このことは民法909条の2で定められています。

(遺産の分割前における預貯金債権の行使)

各共同相続人は、遺産に属する預貯金債権のうち相続開始の時の債権額の三分の一に第九百条及び第九百一条の規定により算定した当該共同相続人の相続分を乗じた額(標準的な当面の必要生計費、平均的な葬式の費用の額その他の事情を勘案して預貯金債権の債務者ごとに法務省令で定める額を限度とする。)については、単独でその権利を行使することができる。この場合において、当該権利の行使をした預貯金債権については、当該共同相続人が遺産の一部の分割によりこれを取得したものとみなす。民法909の2

単独で払い戻しできる金額の上限は、以下の「いずれか低い方の金額」です。

  • 相続開始時の預貯金債権の額×当該払戻しを求める共同相続人の法定相続分×3分の1
  • 150万円

上記は「金融機関ごと」に適用されるので、複数の預金口座があった場合にはそれぞれの金融機関の預金に対して適用できます。

制度利用の際に必要な書類※金融機関により異なる場合があるので個別にお問合せください。

・被相続人(亡くなられた方)の除籍謄本、戸籍謄本または全部事項証明(出生から死亡までの連続したもの)

・相続人全員の戸籍謄本または全部事項証明

・預貯金の払戻しを希望する方の印鑑証明

入院費用や葬儀費用などは、相続財産からお支払いした方が他の相続人に対して公平であると思います。

それにしても、この制度の利用の際に必要な書類を集めるには相当な労力がかかる場合があります。

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著者行政書士浜田政克
浜田政克行政書士事務所
(大阪府豊中市)

自身の相続に係わる経験から一念発起し、豊中市東豊中町にて行政書士事務所を開業。
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