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おひとりさまのための死後事務委任契約

近年、ライフスタイルや家族関係の変化、超高齢社会への進展に伴い、おひとりさまやいざとなったときに身近に頼れる人がいない方が増加傾向にあるそうです。

また、日本の全世帯に占める一人暮らし(単身世帯)の割合は2020年で約38%となっており、2025年には約44%になると推定されています。

おひとりさまやいざとなったときに身近に頼れる人がいない方が亡くなった際に、葬儀の手続き、お墓のことや住まいのこと、行政関連の手続きなど、さまざまな事務手続きが必要になります。

通常は死後に必要な葬儀の手続き、親族や友人、知人への連絡、お墓や住まいのこと、行政関連の手続き、医療費や施設利用料の清算等は親族が行うことがほとんどです。法律においてもそのことを前提に作られています。

おひとりさまやいざとなったときに身近に頼れる人がいない方が亡くなった際に、親族以外の方にそれらを依頼する準備をしておかないと周りに多大な迷惑や負担をかけてしまうことになってしまいます。

自身の死後に周りに迷惑をかけずにすむように準備しておくための対策として、家族やその他の親族以外の方に死後の事務手続きを依頼するための「死後事務委任契約」を締結し、信頼できる方に死後の死後の事務手続きお願いできるようにしておくことが必要です。

 

死後事務手続きの流れは以下になります。

・葬儀関係の手続き

葬儀、火葬、埋葬などの手続きを行います。

関係者への死亡の連絡をします。

・行政関係の手続き

健康保険、国民年金の事務手続きを行います。

所得税、住民税、固定資産税の事務手続きを行います。

・その他の事務手続き

電気、ガス、水道等の事務手続きを行います。

インターネット、固定電話、携帯電話、各種継続的なサービスの事務手続きを行います。

医療費、入院費、施設利用等の事務手続きを行います。

遺品の整理・処分に関する事務手続きを行います。

死後事務委任契約とは

葬儀や納骨、年忌法要、親族や友人・知人への連絡、医療費や施設利用料等の清算、行政手続などの委任者が死亡した後の事務を信頼できる人に責任をもって行ってもらえるよう、事前に契約をしておくことです。。

特に、身近に頼れる親族がいない方、身寄りのない方(おひとりさま)にとって、生前に自身の死後に関しても希望を伝え、周囲に余計な負担や迷惑をかけずにすむため、最後まで自分らしく安心して暮らすことができます。

死後事務委任契約は、ご本人の死後に行われる事務の執行となりますので証拠能力の高い公正証書での作成をおすすめいたします。

死後事務委任契約を検討すべき方は以下になります。

・おひとりさまで親族等に頼れる人がいない

ご自身が亡くなったあと、周囲の方に負担をかけないためにも死後事務を依頼すべき代理人を探しておく必要があります。

・高齢の家族に頼めない方や親族と疎遠になっている方

葬儀関連の手続き、行政関連の手続き、その他の手続きを行うには相当な時間と労力がかかります。高齢の家族や疎遠になっている親族に頼むことは現実的ではありません。

・家族やその他の親族に負担をかけたくないと思っている方

上記にもあるように葬儀関連の手続き、行政関連の手続き、その他の手続きを行うには相当な時間と労力がかかります。家族やその他の親族に負担をかけたくないと思う方がいらっしゃっても不思議ではありません。

・パートナーが内縁関係にある方

内縁関係および事実婚の方は相続人ではありませんので死後事務を行うことに制限があります。死後事務委任契約の締結をすることをお勧めします。

死後事務委任契約手続きの流れ

・どんなことを依頼するのか、死後事務委任の事務内容を決めます。

・誰にお願いするのか、死後事務委任契約の受任者となるべき方を決めます。

・依頼事項を整理して、契約書の文案を検討します。

・検討した契約書の文案をもとに公証役場で打ち合わせをする。

・公証役場で死後事務委任契約書を作成し、契約を締結します。

死後事務委任の契約の依頼先

死後事務委任を依頼する相手方に特に制限は設けられておりません。誰にでも死後事務委任を依頼することができます。

したがって信頼できる友人、知人、親戚などに依頼をすることができます。

しかしながら信頼できる親族がいたとしても疎遠であったり、遠方であったり、信頼できる友人や知人がいたとしても自身の死後事務を依頼するとなると相当な負担となりますのでそれなりの関係性がないと依頼することをためらうことが多いと思います。

このようにいろいろな理由から死後事務委任契約をお願いできる方が見つからない場合もあります。

故人を見送ることがどれだけ大変な負担となるかは実際に経験をした方にしかわからないと思います。ましてや喪主となられる方におかれましては、故人を悼むこともままならないぐらいに短期間での膨大な事務処理を行わなければならないこともあります。

死後事務委任契約を依頼する方を選ぶことにつきましては極めて慎重な検討が必要です。

そのようなときに依頼する第三者として、弁護士や司法書士、行政書士などの専門家に相談することも有用であると思われます。終活支援を専門的に扱っている士業であれば、死後事務委任について必要な情報、葬儀や埋葬であったり、医療・介護、行政手続き等について独自のネットワークを持っている場合が多いと思います。

その他としては、社会福祉協議会や民間企業等に相談することが考えられます。

死後事務委任に係る費用は以下になります。

・死後事務委任契約書を公正証書で作成する費用

死後事務委任契約書を公正証書で作成するには、公証人への手数料1万1千円および謄本等の実費がかかります。また専門家に依頼した場合には、契約書作成の報酬が発生します。

・死後事務委任の執行に係る費用

死後事務を執行するためには、葬儀費用や遺品整理費用、医療費や施設利用料等やお住まいの手続き費用、行政機関への届出および納税、公共料金の精算や解約手続きなどさまざまな費用が発生します。

これらの費用については、本人の財産から支払うことになります。しかし本人が死亡した場合に金融機関の口座は凍結されてしまいますので相続手続きが終わるまでは口座から出金ができなくなります。従いましてあらかじめ預託金として死後事務委任契約の受任者に預けておく方法があります。

死後事務委任契約の3つのポイント

①死後の事務手続きをお願いできる信頼できる最適な受任者の決定

死後事務の執行については受任者の方においては相当な負担となります。スムーズかつ速やかに執行できる最適な受任者の確保が求められます。

②どのような葬儀、納骨、年忌法要、永代供養等を希望するか委任事務の契約内容のとりまとめ

死後事務には、葬儀関係の手続き、行政関係の手続き、その他の事務手続きがありますが

特に、葬儀関係の手続きにはご自身の想いを契約内容として意思表示することが必要です。

③葬儀費用や納骨費用など、料金の上限を死後事務委任契約書で明確にしておく

死後事務委任は契約ですので契約書において、依頼するすべての事務の内容、葬儀関連に必要な費用、受任者への報酬等は明確に記載しておく必要があります。

まとめ

死後事務委任に関わらず終活全般に言える事ですが、一番大切なことはご自身が元気なうちに、終活を実行して、最後まで自分らしく安心して暮らすための準備をされることだと思います。

 

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著者行政書士浜田政克
浜田政克行政書士事務所
(大阪府豊中市)

自身の相続に係わる経験から一念発起し、豊中市東豊中町にて行政書士事務所を開業。
遺言作成、相続手続きサポート、成年後見を中心にお客様に安心してご依頼いただけるワンストップサービスを行っております。
情報セキュリティ、個人情報保護法に精通し、「デジタル社会に迅速に対応できる法律家」として日々研鑽を積み重ねております。

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