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長男が母の介護を条件に財産を譲り受けたが長男が約束を果たさない。どうすればよいか?

受遺者(財産を受け取る者)に、財産を相続させる代わりに妻の扶養や介護などを義務付けるような遺贈を負担付遺贈といいます。

他にも障害がある長女の養育を長男にしてもらう代わりに、長男に財産を遺贈する場合があります。

 

負担遺贈については民法1002条で定められています。

「負担付遺贈を受けた者は、遺贈の目的の価額を超えない限度においてのみ、負担した義務を履行する責任を負う。受遺者が遺贈の放棄をしたときは、負担の利益を受けるべき者は、自ら受遺者となることができる。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。」

条文にもありますように負担付遺贈は、「負担」と「遺贈の目的の価額」の均衡(バランス)が重要となります。遺贈の目的の価額に対してその負担が過大である場合などは、受遺者に精神的な負担や経済的な負担がかかることになりますので十分は検討が必要となります。

 

「負担」と「遺贈の目的の価額」のバランスがしっかりととれているにも関わらず、受遺者が財産だけを受け取って、負担を履行しないこともあります。

負担付き遺贈については民法で定められており、受遺者が負担を履行しない場合において、本来であればその財産を受け取れるはずだった相続人は受遺者に対して、一定の期間内に負担の履行をするように催告することができます。そして催告したにもかかわらずその期間内に負担の履行がないときには、家庭裁判所に対して負担付遺贈にかかる遺言の取り消しを請求することができます。

 

負担付遺贈については、被相続人が受益者のことを考え、受遺者が負担を履行できるのかを検討し、他の相続人も含めた関係性などを熟慮し最適な選択をすることが重要です。また事前に受遺者、受益者や他の相続人に十分に説明をし、理解を得ておくこともとても大切です。

また予期せぬ問題に対して迅速に対応するために、受遺者が負担を確実に履行することを監督することができる遺言執行者を遺言に指定しておくことも検討すべきです。

 

被相続人が家族に対して、自身の死後もお互いに支え合って末永く幸せに健康に暮らすことを願うのは当たり前のようにも思えます。

そして現実問題として私たちを取り巻く社会環境はめまぐるしく変化しており、家族だけで支え合うことができないこともあります。社会保障制度等の国民のためのセーフティネットから誰しも廃除されることがあってはなりません。

超高齢社会への対応として社会全体で支え合う共生社会の実現がこれからの課題であると思います。

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著者行政書士浜田政克
浜田政克行政書士事務所
(大阪府豊中市)

自身の相続に係わる経験から一念発起し、豊中市東豊中町にて行政書士事務所を開業。
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