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エンディングノートの書き方と作成の手順

近年、市区町村などが福祉サービスの一環としてエンディングノートを配布したり、書店でエンディングノートが書籍として販売されています。

エンディングノートを書きたいけど具体的な書き方がよくわからない。または書く内容がわからない。

どのようにすればエンディングノートを書くことができるのでしょうか?

終活の認知度の高まりとともに、実際に終活をはじめる方が年々増えています。今後エンディングノートの需要はますます高まるものと思われます。

 

エンディングノートとは

自分の情報や財産の状況、家族に対する想い、病気になった時のこと、お葬式やお墓について、残りの人生でやりたいことなど終活を通じてご自身が考えたことや対策したことをまとめておくノートのことです。

そしてこれまでの人生を振り返ることにより、これからの人生を考えるきっかけとなります。また使ってみることによって、いままで気づかなかったことを見直しすることができます。

終活でやるべきこと、必要なことを項目ごとにリスト化してまとめてあり、終活全体のイメージを理解することができます。

エンディングノートは、遺言書のように決まり事がありませんので気軽に作成することができます。

自分自身に何かあったときに、ご家族が様々な判断をしたり、手続きを進めるために必要な情報が記載されています。

家族や信頼できる方に託せるようにしておきましょう。

 

エンディングノートに書く内容

①自分自身のこと

人生を振り返ります。自分自身の基本情報、これまでの思い出、大切な方の連絡先、家族や大切な人に伝えておきたいことをまとめます。

自分がこれからやりたいこと、やり残していることを実行するきっかけになります。

②お金や財産について

認知証や体が不自由になった場合の財産管理の希望について記載しておきます。

預貯金口座、口座引き落とし、借入金、その他金融資産、不動産の一覧を記載しておきます。

相続関係のこと、遺言書の有無、遺言書の保管場所、遺言執行者などを記載しておくことによって相続財産手続きに役立ちます。

③認知症や介護について

「できるかぎり自宅で介護を受けたい」「症状にあった高齢者施設等に入所したい」など介護が必要になった場合に備えて、介護の希望について記載しておきます。

認知症になった時や介護が必要になった時に自分で財産管理をすることが困難になります。財産管理の希望や財産管理をお願いしたい信頼できる方、介護の内容についての希望、介護者に伝えておくべき情報をまとめておきます。

④医療のこと

病気になったときに最適な医療ケアを受けるための判断材料になります。

病名や余命の告知、延命措置に関する希望、意思表明の書類等の有無、終末期医療などの希望を記載しておきます。

⑤お葬式やお墓について

葬儀や納骨、お墓などの希望について必要な情報を記載しておきます。

葬儀には一般葬や家族葬などいろいろなスタイルがあります。具体的に葬儀内容の希望を伝えているとご家族も判断しやすくなります。

祭祀のこと、お墓、供養に関する要望があれば記載しておきましょう。特に希望がなければ家族に任せることも検討しましょう。

 

エンディングノートを書くにあたってイメージとしては、自分自身のホームページを作成することに近いのではないかと考えます。

エンディングノートを作成することのメリットを検討します。

・預貯金の口座情報、デジタル遺産の情報、医療や保険のことなどを整理しておくことによって日常の生活でも有用なノートとして活用することができます。

・自分が今まで生きてきた人生をじっくりと振り返り、これまでやり残してきたことや新たにやりたいことを考え、これからどのようにして生きたいのか改めて自分自身を見つめ直すきっかけになります。

・自分の今まで築いてきた財産をリスト化することにより、リスト化した財産を必要なもの、不要なものに仕分けすることができます。リスト化したものをなくすことができないか?まとめることはできないか?他のものに置き換えることはできないか?よりシンプルにできないか?身辺整理のきっかけとなります。

・普段はなかなか自分の老後や死後について家族と話すことはありませんが、エンディングノートに自分の考えをまとめることによって、家族と話をするきっかけになります。

・自分の人生を振り返ることによって、大切な家族にこれまでの感謝の気持ちを綴るきっかけになります。子どもや配偶者に感謝の気持ちを伝えるには、「素直な心」と「謙虚な姿勢」がとても大事です。できればエンディングノートに留まらず、日頃から感謝の気持ちを伝えたいですね。

・エンディングノートは、自分に何かあったときに家族にどのように対応してほしいかをとりまとめます。家族にはなかなか判断できないこともあります。自分に何かあったときのことを記載することによって自分も家族も助かることがあります。

・自分自身のこと、財産のこと、介護や医療のことなどをまとめることによって、家族が困らない手助けになったり、経済状況を把握し資金計画をたてることができたり、これからの人生の備えとなります。

・自分の情報や財産の状況、家族に対する想い、病気になった時のこと、お葬式やお墓などエンディングノートに記載することによって自然と頭の中を整理することができます。

 

エンディングノート作成のためのポイント

・遺言書と違って法的効力はありません。そのためエンディングノートを作成したとしても必ずしもその通りになるとは限りません。しかしながらエンディングノートは作成者の想いを家族に伝える有用なツールとなります。作成のための決まった方式がありません。法的効力がないため自由に書くことができます。

・エンディングノートは定期的に見直しましょう。最初から完璧なエンディングノートは作成できません。時間の経過と共に心境や家族の環境や資産の状況も変化しますので定期的なメンテナンスが必要です。エンディングノートは鉛筆で書いてもOKです。

・自分に何かあったときに家族が困らないようにエンディングノートの存在は、信頼できる方に伝えておきましょう。また不安に感じる終活の課題に関しては、信頼できる方と取り組むこともご検討ください。

 

最初から順番通り書かなくてもよいと思います。縁起でもないことを書くことをためらうのであればまだ書かなくてもいいと思います。エンディングノートを眺めて書けそうなところから書いていく。まずは、気軽に書けるところから書いてみませんか?

 

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著者行政書士浜田政克
浜田政克行政書士事務所
(大阪府豊中市)

自身の相続に係わる経験から一念発起し、豊中市東豊中町にて行政書士事務所を開業。
遺言作成、相続手続きサポート、成年後見を中心にお客様に安心してご依頼いただけるワンストップサービスを行っております。
情報セキュリティ、個人情報保護法に精通し、「デジタル社会に迅速に対応できる法律家」として日々研鑽を積み重ねております。

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