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ビジネスケアラーとは(仕事と介護の両立)
ビジネスケアラーとは
ビジネスケアラーとは、仕事をしながら家族を介護する人のことです。
仕事と介護の両立を求められるため、当事者は非常に厳しい立場にあります。
経済産業省によると、2020年時点におけるビジネスケアラーの人数は262万人ですが、2030年には約20%増の318万人まで増えると予想されています。
また、介護発生による労働者の生産性低下等が日本全体に与える経済的損失額は、2030年時点で約9兆円と推計されているそうです。
個人の問題ではなく、企業や国全体で取り組まなければいけない社会問題になっています。
ビジネスケアラーの課題
介護保険外サービスに十分リーチできていないことや、企業における従業員情報の把握に格差があること、社会全体として介護に関するリテラシーが低く、当事者になるまで介護の実態に触れる機会が限られ、職場等で介護の話題が出しづらいことなどがあげられるそうです。
両立することが大変で肉体的・精神的な負担がかかります。
仕事または介護、いずれか一方のみでも心身ともに相当な負担がかかることになります。、ビジネスケアラーの場合、仕事と介護の両方を行うため、肉体的・精神的な負担はさらに大きくなります。また、子育てと違い介護はいつ始まるのかわからない場合が多く、介護は突然やってきます。そして終わりの見通しも非常にわかりにくいです。
「仕事と介護を両立させること。また終わりが見えないこと。」は本当に不安になり、とても疲弊してしまいます。心身の健康状態が悪化したために、介護離職を選択してしまう人も少なくありません。
離職率が高くなることにより経済的損失が発生する。
今後、ビジネスケアラーが急増し、更なる経済損失が発生すると言われています。
介護離職による労働損失金、育成費用損失や代替人員採用などのコストが発生します。
2030年時点で約9兆円に迫るとされている経済損失の大きさから、ビジネスケアラーは個人の課題ではなく、企業・国全体で取り組むべき問題であると認識されています。
しかし、介護していることで今後のキャリアに悪い影響があるかも知れない、周囲に変に気を遣われると煩わしい、などの思いから、会社に介護を打ち明けることをしない「隠れビジネスケアラー」も存在することも忘れてはいけません。ビジネスケアラーは見た目では一切わかりませんので本人が会社に状況を開示しない場合は、周囲が気付けないこともあります。
介護と仕事を両立させるには
「育児・介護休業法」といって、仕事をしながら育児や介護を担う方に向けた制度があります。この法律は、子を養育する労働者、家族の介護をする労働者が雇用の継続や再就職の促進にすることに配慮されています。
しかしながら介護休業制度を導入している企業がありますが、取得率はまだ低いと言われています。
就業規則に育児・介護休業制度が規定されていても介護休業制度について理解している方は非常に少ない傾向にあります。介護休業給付のことすら知らない方もいらっしゃいます。
本人においても企業においても経済的な観点から介護離職だけは避けなければなりません。
仕事と介護を両立させるために介護休暇、介護休業などの制度を積極的に利用すべきです。
また仕事と介護の両立のために、自分一人で何でもするのではなく、適度に介護サービスを活用することも大切です。多くの介護サービスが存在し、地域包括支援センターなどに無料で相談することもできます。超高齢社会の進展、共働き世帯の増加、独身者の増加など、これからの介護はチームで取り組む事が推奨されています。
仕事と介護を両立するために大切なことは、介護離職を極力避けて、自治体などのサービスを活用することなのではないでしょうか。
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